時間の計測をより親密で個人的な作品に昇華させる芸術的な領域なのです。

 機械をアートやデザインのオブジェに昇華させることは、ヴァシュロン・コンスタンタンが大切にしてきた考えの一つであり、手書きのデッサンや幾何学的なデザイン画に、技術を組み合わせ、色、形、質感を添えてメゾンならではの美的価値を体現した世界を作りだしてきました。メゾンのタイムピースの技術的な要請は決して自己満足ではなく、それを超越した審美性の飽くなき追求の結晶です。時を計測するという本来の機能にとどまらず、職人、デザイナー、仕上げ職人、文字盤職人、革職人たちが創造力と持てる力を遺憾なく発揮し、ひとつのタイムピースを完成させます。


 時計ムーブメント製作に不可欠な技術である精度の追求、入念な仕上げは、見る者の心を動かす要素の一部です。メゾンの高級時計製造における「幾何学」とは、時間の計測をより親密で個人的な作品に昇華させる芸術的な領域なのです。


 ヴァシュロン・コンスタンタンのヘリテージ部門は18世紀の創業時から今日まで、1,600点以上にのぼるタイムピースと製造に使用した道具や家具などを所蔵しています。所蔵品を全て並べると420mにもおよぶ膨大なアーカイブは、メゾン創業時の徒弟契約書を含む時計づくりの歴史と芸術における数世紀にわたるメゾンの取り組みを映し出すきわめて豊かな遺産です。それらは「FROM GEOMETRY TO ARTISTRY(幾何学から芸術性へ)」展の貴重な資料となっています。


 20世紀初頭の創造性は時計製造にも大きな影響を及ぼしました。ヴァシュロン・コンスタンタンは当時、審美性の飽くなき追求と精巧かつ洗練された職人の技術がつくり出す芸術作品を製作していました。直径27mmペンダントウォッチには、手巻きムーブメントを搭載。プラチナ製の土台に施された繊細なギヨシェ彫りの上に、半透明のエナメルを施すフランケ装飾が使用されています。ダイヤモンドを散りばめたラウンド型ケースの裏蓋は、宝石で飾られた繊細なレースを思わせる四角いゴールドの縁で飾られています。またエナメル仕上げの細長いリンクで構成されたネックレスが、このペンダントウォッチの複雑な幾何学模様をさらに引きたてます。

関連リンク:https://www.koukyuutokeikopi.com/rogerdubuis_kopi182/

 腕時計の黎明期である20世紀初頭、時計師たちは懐中時計を踏襲したラウンド形に代わる新たなケースの形状を模索するようになりました。アールデコ様式の大きな影響を受けたこの時代、メゾンは時計ムーブメントの小型化を実現。当時としては極めて斬新な形状のタイムピースを発表したことで存在感を示しました。このイエローゴールド製の婦人向け機械式手巻き腕時計に採用された丸みを帯びたロザンジュ型(ひし形)のケースが、細部にわたり新たな美のかたちを追求した結果を見事にあらわしています。放射状に配されたゴシック体にアラビア数字のアワーマーカー、アーチ型のヴァシュロン・コンスタンタンのサイン、エレガントなラグにもご注目ください。



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