多くの人は、時間を川の流れのように考えているが、時間は無限の小さな瞬間が隣り合わせに並んでできている。

 「グレネード」のフレームは、5枚のプレートと垂直に設置された6本の支柱で構成され、オリジナルのMKII手榴弾の溝付きシェルを模したノッチとインターロッキングが施されている。鍵として使用するピンは、上部のヒューズ型フレームに収納するスペースがあり、取り外してトッププレート中央のポストに差し込むことで時刻を合わせることができる。

　1915年のドイツ製スティック型手榴弾モチーフにした小さなポインターがゆっくりと回転するアルミディスク上で、IWCレプリカ時間を指し示す。

「グレネード」の中央部分には、前面に配置されたテンプと脱進機の裏側に突き出すように、輪列が取り付けられている。その下に香箱があり、時計の底にあるポストから巻き上げる。

手巻き（cal.L’Epée 1839 1855 MHD）。11石。1万8000振動／時。パワーリザーブ約8日間。真鍮（パラジウムメッキ）×SS×アルミニウムケース（幅77.6mm、奥行66.6mm、高さ120.5mm）。

　ピンは手榴弾における主要なポイントであり、それは「グレネード」でも同じだ。破壊が目的のMKIIとは異なり、「グレネード」は時間に対する認識と、それが私たちの生活にとって何を意味するのかを問うことだけを目的としている。

　多くの人は、時間を川の流れのように考えているが、時間は無限の小さな瞬間が隣り合わせに並んでできている。「グレネード」が時を刻む音は、この小さな瞬間を際立たせ、それぞれが人生を変えるチャンスとなるのだ。

　爆発が一瞬で起こるように、私たちの選択も一瞬だ。次の瞬間が最後の瞬間になるかもしれないと知ったら、その瞬間を味わうことができるだろうか？だから、「グレネード」の鍵は爆発を起こすために引っ張らなければならないピンなのだ。

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